修理実績

板金製造支援ソフト CADMAC専用端末の修理延命事例

HDD交換
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森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)日本ピーシーエキスパート代表

1995年シリコンバレーでパソコンと出会い、プラント制御、カーナビの開発・設計を経て2003年に独立。産業用PC修理延命事業を開始。現在はパソコン修理の鉄人として、千葉県柏市にて、日本全国の生産現場の旧型PC修理・延命を行っております!趣味はトライアスロンでそっちでも鉄人です!!

【ご依頼者様】福岡県田川郡赤村のお客様
【ご依頼内容】OptiPlex GX270の修理・延命
【鉄人の修理内容】お客様が、地元の普通のパソコン修理屋さんに修理に出されたそうで、いろいろやったけど結局治らなかったそうです。

パソコン正面です


パソコン背面です、全体的にケースに少し歪みがあるように見受けられます

パソコン内部です、全体的にかなりのほこりが堆積しています。気になる点としては修理過程のパソコンであったためか起動に必須なHDDに配線が接続されていない状態のため元々の稼働時の現状が不明瞭なことです。

パソコン内部の見下ろし画です

HDD1です。PATAの40GB 型番はST340014A


HDD2です。SATAの500GB 型番はST500DM002

右側HDDのクローンの作成に成功致しました

左側HDDのクローンも同様に作成に成功致しました

右側PATAのHDDの使用時間は約54000時間、注意警告も出ているため交換必須です。自動車に例えると、走行距離54万キロです!!!

左側SATAのHDDの使用時間は約4000時間です、右HDDにもこちらにもWindows入っていますがデータ構成には差異が大きいです。右HDDは現在使われておらず、左HDDのみが現在使用されている物の可能性があるため要確認です

ご申告のあった通り電源ボタンを押しても起動しない事を確認致しました。マザーボード自体には通電していることを示す黄色ランプが点灯はしています


電源ボタンを経由せずに直接マザーボードのピンから起動を試みました。やはり起動しないので、電源もしくはマザーボードあるいは両方に異常がある可能性があります。


低付加状態では、電源は正常なようです。負荷がかかると電圧下がる可能性はあります。

ファンに埃がかなり堆積しています

内部の埃の様子です。

ケース内部にも砂汚れのような物が大量に付着しています

背面ファンの埃を除去致しました

前面部の埃を除去致しました

細かい砂汚れも大半は除去致しました

パソコン内部を清掃後にHDDを外した状態で各種配線を接続したところ電源ボタンを押して、起動することを確認致しました。配線が経年劣化によって接触不良を起こしている可能性があったので、すべての接続端子をクリーニングした結果起動するようになったということです。

専用ツールによるbios上での簡易テストは通過致しました

bios上での専用ツールによる高負荷テストも通過致しました

CDブートによるテストを実行しようとしたところベルト部が劣化しているのか開閉しませんが、よくあることです。

別のCDドライブを接続したところ問題なくCD認識することを確認致しました

CDブートによるMEMTESTも通過

クローンHDDを接続しWindows起動を確認致しました。
気になる点としては右側PATAのHDDではwindows破損しているのか起動できず。
左側SATAのHDDはパソコン内部にSATAのケーブル配線が存在しませんでした。SATAコネクタ自体は二つありましたがそちらからは起動できず、HDDコネクタをPATA変換してから接続して起動まで進めました。

Windowsのイベントログを確認したところとくに異常は見当たりませんでした。

USB端子はパソコン前面に2、背面に6の合計8ありますがこちらは全て認識することを確認致しました

OSはwindows XP ProのSP2です

windows上で高負荷テストを実行しようとしたところグラフィックボードの相性問題か実行出来なかったので外してからオンボードで起動致しました。オンボードグラフィックのドライバがあたっていないようで描画異常があります

windows上にて高負荷テストを実行、異常なし


使用しているグラフィックボードはNVIDIA GeForce 4 mx440です。
このユニットの挙動は相性もしくは不具合があるためか正確な検証が出来ておりません

マザーボードは交換済みとのことで目視した限りでは異常はないように見受けられます
型番はDell GX270 MT Motherboard DG284
流通あり

電源はATXの400W電源です。汎用なので、耐久性は全くありません。交換必須です

電源内部です。劣化しているためオーバーホールが必要です。オーバーホールする場合は、日本製の高耐久性コンデンサを使用しますので、純正新品より耐久性が高くなります。


オンボードグラフィックドライバをインストールしました

ドライバが当たった事でグラフィックボードなしのオンボードでの描画も正常になりました

ドライバがあたっている状態でwindows上で再度高負荷テストを実行、通過を確認致しました

bios設定の調整でSATAのHDDの直接接続での起動も確認致しました、おそらくマザーボード交換の際か電池切れ等で設定が変わっていたものと推察致します

このパソコンはドライブ設定がautoになっていると該当コネクタにドライブが接続されていない場合、起動時にF1を押してからでないとwindowsまで進まないため手間が増えます

改めてグラフィックボードを搭載して動作確認したところ少なくとも平常時には正常動作及び認識しているようです

仮想環境での起動を試みたところブルースクリーンループになりますので実機での修復をご提案致します


ライセンス確認用USBドングルが同封されておりませんので、アプリが起動しません。ドングルがあれば問題ないかと思います。

以上の結果を踏まえ、
1.応急修理
2.修理+延命
3.応急修理+予備機制作
4.応急修理+仮想化

の提案をいたしましたが、今回は設備を更新するという結論に至りました。正直、更新するのが最も安心かと思います。