森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)日本ピーシーエキスパート代表
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旧型パソコンは、部品が入手できないなど、障害が多く扱っている業者さんも少ないので、「本当に治るの??」という疑問をお持ちになるのはよくわかります。
治るパソコン、治らないパソコンどう違うのか???について解説します。
パソコンを治すってどういこと?
パソコンを治すとは???それは、パソコンを使う目的を考えてみればわかるかと思います。つまり、パソコン使う目的は、アプリケーションを使用するということではないでしょうか?
例えば、
- 計測機械を動かすためのアプリを使用する
- 顧客データを印刷する
- 計測データを印刷する
- FDDに入っている部品の寸法通りに部品を加工するためのデータ処理
- 協力業者から来たMOに入ったデータをソフトに読み込んで編集する
などです。
よく考えると、これらはパソコン以前に、まずはソフト(アプリ)がなくてはいけません。パソコンは、アプリを動かすために必要な道具であり、仮にスマホでそのアプリが動けばパソコンを修理する必要がないのではないでしょうか?
パソコンを治すということは、つまりは「アプリを使えるようにすること」に他ならないのです。
アプリが動くためには?
パソコンが故障してアプリが動かなくなると、パソコンを修理することになるのですが、手っ取り早いのがパソコンを修理して、動くようにすればアプリが動くかもしれません。しかし、それはHDDに保存されているアプリのプログラムが保持されていることが前提となっています。
アプリは、本当に故障したパソコンだけでしか動かないのでしょうか?別メーカーの別パソコンじゃあ動かないのでしょうか?そうなんです。アプリを動かすには、何も、元のパソコンじゃないもので動けばそれも修理することになるのです。
IBM Aptivaにアプリが入っていて、Aptivaが動かなくなった場合、Compaqのパソコンにアプリを移植してうごけば、それでも良いのです。
このように、別パソコンに、今までの環境を再現してしまえば、これも「修理」したことになるのです。
幸いにして、Windows95などの20年近い古いパソコンのアプリは、レジストリはほとんど使用しておらず、アプリのフォルダそのままをコピーすれば動く場合が多いので、意外と簡単に再現が可能です。
インタフェースボードについて
制御機器や、分析装置とパソコンをつなげるのには、RS-232Cや、GPIBなどのインターフェースを使用することが多いのですが、このような汎用のインターフェースであれば、互換性があるので、故障しても今でも部品は入手が可能です。
厄介なのは、特殊なインターフェースボードを使用している場合です。これが壊れている場合は、いくらアプリが動いても肝心な機械とのやり取りができず、結局目的を達成できなくなります。
汎用でないインターフェースボードが修理不可能で、中古品や代替品を入手できない場合は、アプリを使用できるようにはできないかと思います。
アプリのプログラム本体がないとどうなる??
このように、パソコン本体が別の個体でも、アプリさえ動けば目的は達成できるのですが、肝心なアプリがない場合は、たとえパソコンが動いてもどうにもなりません。
まとめ
パソコンを修理するというのは、結局「アプリを使用できるようにする」ことにほかならず、
- アプリのプログラム本体が存在しない場合
- インターフェースボードが汎用ではなく、修理不可能かつ代替品入手不可能もしくは、ドライバが入手不可能な場合
このような場合は、修理が不可能となります。
裏を返せばこれ以外の場合は必ず修理が可能となります!!!
パソコン修理の鉄人は、どんなに困難な修理でも、上記のような場合でない場合は常にチャレンジしています。