森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)日本ピーシーエキスパート代表
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旧型PC(DOS3,DOS5,DOS6,PC-DOS,Windows95,Windows98,WindowsNT,Windows2000,WindowsXPなど)が正常に動作するハードウェアを入手するのが困難になってきました。特に、WIndows2000以前のOSは新品はほぼ絶望的です。
これらの「レガシー」OSを動かすことができるハードウェアがない現在、どうしても最新OSに切り替えることができない場合は、仮想環境に移行することで問題を解決できるというわけです。
実際に、プログラムの環境やデータをそのままにして仮想環境で動くようにすることはたいていが可能です。では、ほとんどのPCが仮想環境上でうごかせるようになるのかというと、そういうわけにはいきません。なぜでしょうか?
IOの問題
最大の問題は、このIOです。例えば計測装置に接続されている旧型PCを仮想化する場合は、当然計測装置からの信号を仮想環境で読み取る必要があります。例えば、ISAバスを使用している場合は、ホストOSに、ISAのボードを認識させる必要があります。ホストOSに対応するドライバがない場合は、仮想環境で使用することができません。
オーバーヘッドの問題
無事ホストOSに対応ドライバがあったとして、仮想環境でIOボードを認識させられたとしても、IO処理時にはホストOSが介在するので、リアルタイム性が求められるアプリケーションの場合、オーバーヘッドが問題になる可能性があります。こればかりはやってみないとわかりません。
ハイパーバイザ型のVM
そして、近年主流になりつつハイパーバイザ型の仮想マシンであれば、この問題が解決できる可能性が出てきています。弊社でも実用化に向けて研究中です。これができるようになれば旧来の環境を最新環境で動くようにする「レガシーマイグレーション」がより容易になることでしょう。
まとめ
旧型PCを仮想環境に移行する場合、外部とのやり取りを行う、ISAバスや、PCIバス、などの特殊ボードを使用している場合は、ホストOSに対応するドライバが必要となります。また、無事仮想環境で認識できたとしてもIOのタイミングや速度が追い付かない場合がありますので、留意が必要となります。
経験上、SCSI,RS-232Cはほぼ確実に仮想化ができます。GPIBも比較的ドライバが入手しやすいですが、ISA, PCI経由の特殊ボードを使っている場合はベンダーに確認が必要となります。
近年注目をあびているハイパーバイザ型のVMを導入することにより、これらの問題が解決される可能性はありますが、まだまだ発展途上です。「旧型PCの修理」から「レガシーマイグレーション」へ、時代は着実に動いています。
パソコン修理の鉄人は、いろいろな旧型PCの仮想化にチャレンジしています!!!わからないことがあればいつでも相談してください!!!