森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)日本ピーシーエキスパート代表
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パソコンの寿命ってどのくらい??
一般に、パソコンの実質的な寿命は、メーカーが治せなくなる期限とすると、
NEC:製造打ち切り後6年
FUJITSU:製造打ち切り後6-7年
Toshiba:製造発表から6年6か月
Dell: 製造打ち切りから3年
となっているようなので、大まかにいえば、
「国内メーカー製は6年」「海外メーカー製は3年」となるようです。(参考HP)
一方、パソコンを構成している部品で劣化が著しいものは、
- ハードディスク
- 電解コンデンサー
ですが、これらの寿命は、
HDDは10000時間=8時間x300(日)X4年ちょっと
コンデンサーも、45℃くらいだと、4年くらい
以上から、PCは、大体5,6年で寿命になると考えられます。
寿命になったパソコンはどうなる?
HDDを5年使用していると実際に何が起こるかというと、ほとんどの場合、何も起こりません(笑)
運が悪いと、HDDに不良クラスターが発生し読み込みにくくなります。もしくは、不良クラスタが発生した結果、読み書きの速度が極端に遅くなることがります。
このような状態になると、通常はHDDの自己診断機能(S.M.A.R.T)により故障の前兆としてパソコン本体に信号が出され、NECやLenovo等のパソコンですと、起動するときに、「内臓HDDが故障しますので、すぐにバックアップを取ってください。」という意味の警告が英語で出ます。これを無視して使用し続けると、そのうちHDDがクラッシュして、PCが起動しなくなります。
SSDを5年使用していると、どうなるでしょうか?実は、これについてはまだSSDが一般的になってからあまり経っていないので、データが出そろっていないというのが実情です。しかし、理論的には、だんだん不良クラスタが増え、動作速度も遅くなると考えられます。場合によっては、アクセス不能に陥り起動しなくなることも十分考えられます。
一方、電解コンデンサーが寿命を迎えるとなにが起こるのでしょうか?電解コンデンサーは、内部に電解液が満たされており、これが少しずつ蒸発し、蒸発しきった場合に電極がショートの状態になります。
こうなると、周辺回路が故障することもありますが、たいていの場合はヒューズが飛んで、起動不能に陥ります。電源ボタンを押してもうんともすんとも言わない状態になるかと思います。
延命とは?
パソコンなどの電化製品の使用年数と故障率の関係を示したグラフは下記のようになることが知られています。
この図を「バスタブ曲線」と呼びます。
PC本体をオーバーホール(電解コンデンサの交換、接点等のクリーニングなど)することにより、上記曲線の緑の部分が増えて、延命を図ることができます。
まとめ
パソコンの寿命は、メーカーは5,6念と考えているようです。5,6年くらい経つと実際にはごく一部のパソコンにおいて、HDDの劣化により起動不能になったり電解コンデンサの容量抜けによる通電不能などの症状が考えられます。したがって、このような状況になる前に、消耗品であるHDDやコンデンサを交換することにより延命を図ることができるのです。
最後までパソコン修理の鉄人の記事をお読みいただきありがとうございました!