森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)日本ピーシーエキスパート代表
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SSDの仕組み
SSDはUSBメモリと同様に、コントローラーチップ、フラッシュメモリチップで構成され、キャッシュメモリも搭載しています。
データ保存をするときは、外部からのデータをコントローラがフラッシュメモリに分散してデータを書き込みます。ここで重要なのは、フラッシュメモリーは書き込みの回数が有限となるため、少しでも寿命を延ばすために、コントローラーが大量のメモリセルに均等にデータを書き込むようにしています。HDDの場合は、外部から、「HDDのこのあたりにデータを書き込む」ということができましたが、SSDの場合は、これが待ったくできないのです。専門的な言い方をすると、同じアドレスにデータを書き込んだつもりでも、実際に書き込みが行われるセルは異なる場所である可能性が高いのです!
SSDのデータ復旧を困難にするTrim機能
SSDのセルにデータを書き込む方法は、HDDとは異なり、
- セルをクリアする
- セルにデータを書き込む
という過程が必要になります。ちなみに、HDDの場合は、セル(実際にはセクタ)に書き込むだけです。事前に消去する必要はありません。
しかし、こんなことをしているとせっかくの高速アクセスが台無しになるので、あらかじめクリア済みのセルを把握しておき、ここにいきなりデータを書き込むようにしています。
そして、データが不要になったセルは、コンピュータが忙しくないときに、セルクリアをするのです。この機能をTrim機能といいます。
このtrim機能の意味することは、ゴミ箱を空にすると、「実際のデータは直後には残るけど、時間の経過とともに徐々に完全されてしまう」ことになり、データ復旧ができなくなります!!!!!!
なお、このTrim機能が有効になるのは、Windows OSでは7以降、Mac OS Xでは10.7(Lion)以降です。
まとめ
SSDのデータ復旧は、HDDのように技術的に確立されていません。
- Trim機能が有効なOS(Windows OSでは7以降、Mac OS Xでは10.7(Lion)以降)においては、故障後の通電時間が増えれば増えるほどデータ復旧が困難になる
- コントローラーが故障していなければ、希望はある
ということになります。
経験的には、コントローラーが故障することは結構多いです。特に、TLCのSSDは、保証期間前にコントローラが故障して、いきなりアクセスができなくなりデータも一切復旧できなくなることが多く、私のパソコンでも一度経験し、512GBデータがすべてパーになりました!!!!!
SSDに保存しているデータは、いついきなり消えてもおかしくなく、復旧が不可能 と思っていただいたほうが良いです!!!!!
SSDのデータ復旧も多少の実績があります。パソコン修理の鉄人フォームからお問合せください!!