修理実績

リチウム電池入りチップ(M48T86PC1)の延命事例

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森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)日本ピーシーエキスパート代表

1995年シリコンバレーでパソコンと出会い、プラント制御、カーナビの開発・設計を経て2003年に独立。産業用PC修理延命事業を開始。現在はパソコン修理の鉄人として、千葉県柏市にて、日本全国の生産現場の旧型PC修理・延命を行っております!趣味はトライアスロンでそっちでも鉄人です!!

【ご依頼者様】愛知県豊橋市飯村町のお客様
【ご依頼内容】CICV3AProのWindows2000が起動しなくなった,特殊アプリケーション使用しているのでどうしても直したい
【鉄人の修理内容】リチウム電池内蔵RTCチップM48T86PC1のリチウム電池外付け化改造他

PC保体外装です

本体ケース シャーシ メインボード 電源ユニット メインメモリ HDD 3.5インチFDD 5インチFDD CDD GPUボード ライザーカード 液晶パネル 主要アプリケーション


起動する場合としない場合があるとのことです。

起動する場合は、まったく問題なく起動します

Windowsも正常起動します

制御アプリケーションも起動問題なし


念のため内部点検します

Pentium3 のDual 構成です。内部のアルミ電解コンデンサは問題ないのですが確実に経年劣化しています

デュアルCPUです。


電源ユニットを分解し、内部のアルミ電解コンデンサの状況を目視します

Windows NT 4.0 SP6 が起動しました

上にあるチップがRTCチップです(M48T86PC1)これには、3Vのリチウム電池が内蔵されており、10年以上たつとこの電池が劣化して電圧が無くなり、BIOSの情報保持ができなくなる不具合が発生します。今回のPCはこれに該当します


SCSIのHDDも劣化しているので、まずは磁気情報を抽出します


電源ユニットは、日本製のコンデンサ内蔵タイプに交換します


正面パネル内部はかなり誇りが蓄積しています。


エアブローで誇りを除去しました。


基盤を分解し、接点を清掃しました


シャーシも清掃しました


冷却ファンをボールベアリング内蔵の高耐久タイプに交換しました

ベアリング内蔵タイプにCPUクーラーを改造します。これにより、長寿命と高効率冷却を両立可能です


実際に、負荷テストの状態で、熱分布を確認。効率よく熱放出できております


矢印のチップが問題のRTCチップです。この中にリチウム電池が内蔵されており、電圧が無くなっております


チップを改造して、電池を外付けにしました。この改造が今回の肝となります。


集中しすぎて写真撮り忘れましたが、安定して起動するようになりました