ガスボンベ密閉試験機用端末の機種交換事例

この記事を書いた人
最新の記事

森田起也＠パソコン修理の鉄人・（株）日本ピーシーエキスパート代表

1995年シリコンバレーでパソコンと出会い、プラント制御、カーナビの開発・設計を経て2003年に独立。産業用PC修理延命事業を開始。現在はパソコン修理の鉄人として、千葉県柏市にて、日本全国の生産現場の旧型PC修理・延命を行っております！趣味はトライアスロンでそっちでも鉄人です！！

ガスボンベ密閉試験機の制御PC復旧 – 製造業の重要設備を守るための迅速対応

製造業の現場において、古い制御PCが停止すると、生産ライン全体に深刻な影響が生じることがあります。今回、島根県雲南市のお客様から、ガスボンベ密閉試験機を制御するPCの緊急復旧と、同一環境への移植依頼をいただきました。このような緊急事態にも対応できるのは、旧型PC修理と移植に長けた経験豊富な当社ならではです。

復旧作業の内容 – E21Aへの移植と耐久性向上

オリジナルPCのESPRIMO N5280FAです。コンパクトな筐体ながら、堅牢な設計が特徴ですが、既に部品の供給が難しくなっていました。

背面からの外観です。インターフェースの構成は当時の仕様に準じており、特定の用途向けに最適化されています。この機種特有のポート配置やサイズ感を考慮しながら移植先を決定しました。

移植対象のNEC製FC-E21Aの正面写真です。NEC製のFAPCは広く流通しているため、交換部品の入手が比較的容易で、長期使用を見据えた機種選定として理想的です。

環境許容値と適切な移植機種選定

お客様の現場は高温環境のため、ESPRIMO N5280FAに似た耐環境性が必要です。移植先のFC-E21Aは耐久性が高く、温度変化や粉塵環境に強い設計が施されています。

高耐久HDDへデータを移行し、さらに容量クリッピングを行いました。オリジナル環境と同等の容量にクリップすることで、システムの互換性を確保しています。

システムファイル修復と冷却性能向上のための整備

データ移行後にシステムファイルの修復作業を行い、安定性を向上させました。特に、長期間の使用によってファイルに不具合が生じていた可能性があるため、入念なチェックが求められました。

交換したHDDは全くの新品で、健康状態も良好です。今後の耐久性を確保し、繁忙期でも安心して使用していただけます。

本体の冷却性能を高めるため、パソコン前面のフィルターも新品に交換しました。埃の蓄積を防ぐことで、冷却性能を保持します。

電源と冷却の徹底メンテナンス – システム安定性を確保

電源ユニットの内部は、耐久性の高い日本製のコンデンサに交換しました。電源の品質がシステム全体の安定性に影響するため、確実なオーバーホールを施しました。

CPUの冷却には特に配慮し、劣化していたグリスを除去し、新品の高性能グリスを塗布しました。冷却効率が向上し、長時間稼働にも耐えられる安定性を実現しています。

完全な動作確認とお客様への納品

移植作業を終え、全システムの動作確認を現場にて行いました。富士通のESPRIMO N5280FAからNEC製FC-E21Aへの完全な移植に成功し、お客様には長期安定稼働を確保できるシステムとして納品しました。さらに、同様のトラブルが発生した際に迅速に対応できる体制が整ったため、安心して設備をご利用いただけます。

移植サービスの信頼性と長期的サポート

今回の移植作業は、製造業の現場で日々稼働する設備において、いかに旧型PCを長期活用できるかを示す好例です。当社は、単なる修理に留まらず、移植や延命を含めたトータルソリューションを提供いたします。どのような旧型PCの課題でも、まずはご相談いただければ最適な提案をいたします。現場の機器を熟知したプロフェッショナルチームが、柔軟かつ迅速に対応いたします。

修理実績