CADに使用しているWindowsXPマシンHP Z220が突然起動しなくなった | パソコン修理の鉄人（達人）

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森田起也＠パソコン修理の鉄人・（株）日本ピーシーエキスパート代表

代表取締役社長 ： 株式会社日本ピーシーエキスパート

1995年シリコンバレーでパソコンと出会い、プラント制御、カーナビの開発・設計を経て2003年に独立。産業用PC修理延命事業を開始。現在はパソコン修理の鉄人として、千葉県柏市にて、日本全国の生産現場の旧型PC修理・延命を行っております！趣味はトライアスロンでそっちでも鉄人です！！

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【ご依頼者様】埼玉県朝霞市のお客様
【ご依頼内容】HP Z220が突然起動しなくなった。
【鉄人の修理内容】グラフィックボード交換・HDD磁気情報抽出・HDDをSSDに交換



パソコン正面です



パソコン背面です



パソコン側面です



bios起動画面です、まず気になるのはraid0ボリュームの存在とraid構成なのに単一ディスクしか表示されていないことです。HDD物理障害の可能性が非常に高いです

起動ファイルが見つからないあるいは破損しているようです。



パソコン内部です、かなりのほこりが堆積しています。これだけのホコリがたまっていると、加湿器を使用したときや、梅雨になったときにホコリが水分を吸って基板ショートの結果メインボードが故障する場合があります。



500GBのHDDです、bios上で認識されていなかったためこちらに問題があった可能性があります。



bios上で認識されていたSSDです、24GBの珍しいタイプです、データはなにも入っていないようなのでキャッシュディスクとして使用されていたようです



ほこりを除去しました。これだけかなりきれいになります。パソコンにはホコリが大敵なのです！



オリジナルHDDから、磁気情報を抽出します。今回は何とか抽出に成功しました。
これで失敗した場合は、研究所にて特殊作業を行わなくてはならず、費用と時間がかなり掛かってしまいます。今回のお客様は運が良かったです！



bios上での高負荷テストは通過。メインボードは正常です。



磁気情報を抽出し、新品SSDにコピーしました。その後、インデックスを再構築しました。案の妙jずたずたに破損しておりました。


bios上でのMEMTESTは通過。メインメモリは正常であるとともに、MEMTEST86にて正常だった場合は経験的にPC全体が正常と言えます。



キャッシュ用SSDの健康状態には大きな問題はないようです



オリジナルHDDの使用時間は20000時間を超えているので故障したのもうなずけます。よくここまで動いたものです。



Windowsデータが入ったクローンHDDを認識はするようになりましたがWindows起動できません



回復コンソールから復元を試みます、気になる点として直近の回復ポイントがWindowsupdate直後の4つがありましたがもっとも最近のポイントはエラーで選択できず、またOSはサポートが終了したWindows7なのでオンライン環境であったことには一定のリスクがあります



復元しても今度はブルースクリーンで起動せず



セーフモードでWindows起動画面まで到達することには成功しましたがパスワードが必要になります



セーフモードから起動してイベントログ確認したところ重大なエラーがある程度発生していました。
KP41エラーが頻発する場合は、SSDが故障している場合やメインボードが故障している場合が多いです。



ネットワーク関連のエラーが多く出ていたようですが環境依存の可能性があるため挙動に影響があったかは今の時点では不明です



グラフィックボード NVIDIA　QUADRO2000 起動しない原因の一つはこの機材の不調もしくはWindowsのデータとの不整合の可能性が高いことが判明しました。



互換性の期待できる上位モデルのQUADRO　FX3500を搭載したところ通常起動の確認及びデバイスマネージャー上でも現状のままで認識できることを確認



グラフィックボードを交換した状態でのWindows上での高負荷テストは通過しました



電源はDELTA製の400Wです。この電源のコンディションを確認します。



電源内部です、劣化しているためオーバーホールが必要です。電解コンデンサが若干膨らんでいるようです。



ボタン電池を新品に交換致しました。



CPUグリスは劣化しています。これを交換することにより、CPUの熱を効果的に排出することができ、ブルースクリーンや強制リセットの症状が緩和されることがあります。



古いCPUグリスを除去し新品を塗布しました、これにより冷却効率があがりシステムの安定性が向上します



上のオリジナルグラフィックボードQUADRO2000から下の上位機種QUADROFX3500に交換致します。交換用グラフィックボードは、海外から取り寄せた新品です。国内では新品では入手不可能なものです。

HDD磁気情報を高耐久タイプのHDDにコピーして装着します。


無事Windowsが起動するようになりました。弊社規定の負荷テストを行い、問題ないことを確認しました。

負荷テスト後のメインボードの熱分布の様子です。正常であることを確認したので、出荷できます。
修理期間は約10日でした。今回は納期優先ということでの修理となりました。納品後お客様から無事業務を再開できたとのご連絡をいただき一安心しました。

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