修理実績

切削油が原因となり、PCが起動不能に。(ワイヤー放電加工機用パソコン・MS-DOS)

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森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)日本ピーシーエキスパート代表

1995年シリコンバレーでパソコンと出会い、プラント制御、カーナビの開発・設計を経て2003年に独立。産業用PC修理延命事業を開始。現在はパソコン修理の鉄人として、千葉県柏市にて、日本全国の生産現場の旧型PC修理・延命を行っております!趣味はトライアスロンでそっちでも鉄人です!!

【ご依頼者様】奈良県北葛城郡河合町のお客様
【ご依頼内容】部屋を移動したら、起動しなくなった
【鉄人の修理内容】電源ユニット交換・基板洗浄

パソコン正面です

パソコン背面です

ご申告のあった通り通電確認出来ず、内部の様子には大きな問題はこの時点では確認できません

作業の安全確保のためストレージのクローンを作製します。MS-DOSのため、容量が極めて小さく、CFカードを使用しております。もちろんSLCです!
※以前弊社にて延命を施工しているPCです。

電源がテスターに反応しません。電源ユニットから一切出力していないことが原因です。

良品電源に繋ぎ変えたところ起動を確認しました。電源故障確定です

電源はニプロン製です。こちらは、弊社にて1年前に交換したものであり、経験的にニプロン電源がこんなに早く故障することはあり得ないです。何か特殊な事情があることが多いです。

電源内部には目立った問題がないように見えました

負荷テスト時の温度推移にも異常な点は見当たりません。本当に謎です

メモリ負荷テスト合格

sync data link control tr300 d260/889 c7

メインボードテスト合格

メインボード負荷テスト合格

お客様アプリ起動確認しました

基盤を確認したところ、表面にぬるぬるした液体が全体に付着していることが判明。
パソコンから取り出し洗浄を試みましたが当社の洗浄剤では落ちない特殊な溶剤だったことが判明したのでこの作業は見積もりから削除しました。
電源ユニットにも実は付着しており、お客さんに尋ねたところ、切削油かもしれないとのことでした。
調べると切削油は揮発性、水溶性でショートの原因になるとのことで、これが原因と判明しました。

電源を左の通電しないオリジナル電源から右の新品電源に交換します。

メインボードテストを改めて実施し、問題なく通過しました。

メインボード負荷テスト再度通過

メモリ負荷テスト再度通過

お客様アプリ再度起動確認しました。

粘性のある細かな塵がケース内にもありますが洗浄はできませんでした。溶剤を使用すれば除去できそうではありますが、全体的に経年劣化しており、線上により帰って故障するリスクがあるので、これ以上切削油がある部屋に置かないことをお客様に確認しました。

塵を除去しました