森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)日本ピーシーエキスパート代表
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【ご依頼者様】神奈川県伊勢原市のお客様
【ご依頼内容】現場で常時使用している設備の操作PCの予備機を作成したい
【鉄人の修理内容】予備機の制作
オリジナルと同型のマザーボードを手配し、オーバーホールしてコンデンサを交換しました。
お客様の要望(ニーズ)
PCの延命と安定稼働の確保
お客様は製造現場で使用している旧型PCの安定稼働を求めていました。特に、PCが故障した場合、現場の生産ラインが停止するリスクがあるため、迅速な修理と長期的な延命を希望されています。
最初に手配したマザーボードの挙動が不安定だったため、さらに別のマザーボードを手配し、オーバーホールを行い搭載しました。
提案内容と技術的な解説
お客様には以下の3つの提案を行いました。
- 修理+予備機制作:同型マザーボードを使用した予備機の制作を提案し、将来のリスクに備えました。
- 修理+最大限の延命:現行のハードウェアを延命し、安定稼働を確保するための予防保守を提案しました。
- 最低限の修理のみ:最小限のコストで部品交換のみを行う選択肢もご提供しました。
マザーボードのオーバーホールでは、古くなったコンデンサを交換することで、システム全体の安定性を向上させました。特に旧型PCでは、コンデンサの劣化が主な故障原因となることが多く、これを予防的に交換することは重要です。
冷却性能の高いDynatron A27Gクーラーを搭載し、長期稼働時の熱問題にも対応しました。
修理サービスと延命のメリット
古いPCの修理に加え、予備機の制作や延命策を講じることで、お客様には次のようなメリットがあります。
- **コスト削減**:新しいPCシステムを導入する場合、ソフトウェアやデバイスの互換性問題に加え、再設定や試運転に多くの時間と費用がかかります。延命によってこれらのコストを削減できます。
- **ダウンタイムの回避**:予備機の制作により、万一の故障時にも迅速に切り替えが可能となり、生産ラインの停止を回避できます。
- **既存資産の最大活用**:既存のインターフェースボードやHDDを活用することで、システム全体の入れ替えをせずに対応可能です。
オリジナルと同じインターフェースボードを手配し、クローンHDDのドライバで認識確認を行いました。
動作検証と試験
インターフェースボード「AD800」についても、複数のボードを手配し、動作検証を実施しました。これにより、部品の不具合や相性問題を排除し、現場での安定動作を保証します。特に産業用PCでは、インターフェースボードの互換性がシステム全体の信頼性に大きく影響を与えます。
これを試験機として現地で動作検証しました。
ストレージには、高耐久の産業用SSDを使用し、信頼性を向上させました。
熱対策と冷却強化
PCの延命において、冷却性能は重要な要素です。特に、製造現場のPCは連続稼働が求められるため、内部温度が高くなるとパフォーマンス低下や故障のリスクが高まります。
インターフェースボードを効果的に冷却するため、ファンスロットを増設し、熱分布の改善を図りました。増設後は、高温部の冷却効果が確認でき、システム全体の安定性が向上しました。
サービス導入結果
最終的に試験機は問題なく動作し、お客様の現場での動作検証も成功しました。これにより、予備機の制作を含む延命プランを進め、将来的なダウンタイムのリスクを最小限に抑えることができました。
ファン増設後のインターフェースボードの熱分布です。全体的に温度が下がり、高温部への冷却効果が確認できました。
お客様へのお願い
輸送時の衝撃でインターフェースボード等の脱着が起きないように、パソコン内部に梱包材を詰めております。到着後に外すようにお願い申し上げます。