森田起也＠パソコン修理の鉄人・（株）日本ピーシーエキスパート代表
最新記事 by 森田起也＠パソコン修理の鉄人・（株）日本ピーシーエキスパート代表 (全て見る)
- 製造現場で使用されている旧型ノートPCのデータ復旧・修理事例 - 2024年10月29日
- 生産設備の監視制御用PC(Windows2000）のフリーズ解消事例 - 2024年10月26日
- Windows2000マシンの現場調査→修理提案の事例 - 2024年10月26日
- ガスボンベ密閉試験機用端末の機種交換事例 - 2024年10月25日
- 東京精密製三次元測定機用端末の仮想化・延命プランの調査事例 - 2024年10月20日
【ご依頼者様】鳥取県米子市吉岡のお客様
【ご依頼内容】SU03-133Rの修理
【鉄人の修理内容】旧型PC修理
こちらが修理対象のパソコン正面です。SU03-133Rは、かつて製造業や制御システムの一環として使用されていた古いモデルです。この機種は堅牢な設計が特徴で、長年にわたり使用されてきたことが伺えます。
パソコン背面です。レガシーインターフェースが多く残っている点は、この年代のPCの特徴です。これらのポートは、特定の産業機器や周辺機器との互換性を維持するために重要です。
お客様より送付頂いた添付物一式です。古いPCの場合、こうした付属品の確認も重要です。周辺機器やケーブルに問題があれば、PC自体の修理だけでは解決できないことがあります。
輸送時の衝撃により、マウスのカバーの爪が折れてしまい、ボールが外れてしまっている状態でした。旧型のボール式マウスは、このようなトラブルが起こりやすく、修理や部品の交換が必要になることが多いです。
パソコン内部です。全体的に細かいほこりが蓄積していますが、これは古いPCにはよくある問題です。ほこりの蓄積は、冷却性能の低下や部品の劣化を引き起こすため、定期的なクリーニングが欠かせません。
マザーボードの接写です。このボードは、製造当時の技術が凝縮されたものであり、特定の産業用アプリケーションに対応しています。
パラレルポートのテストを行った結果、異常が確認されました。これにより、マザーボードの故障が確定しました。パラレルポートは古いシステムにおいて重要な役割を果たしており、この問題が修理の中心となります。
かなり大量の細かいほこりが堆積していたため、コンプレッサーを使い除去しました。ほこりの除去は、内部の冷却性能を回復させ、システムの長寿命化に貢献します。
パラレルポートは劣化が進んでおり、破損している状態でした。パラレルポートは、特に古い産業機器との接続に不可欠であり、この部分の修復が急務です。
新品のマザーボードを海外のデッドストックから入手しました。こうした古い部品を入手するのは容易ではなく、経験とネットワークが試される部分です。
新しいマザーボードのBIOSバージョンが異なっていたため、オリジナルのBIOSチップを流用しました。これにより、システムの互換性を保ちながら最新のハードウェアを活用できます。
新品のマザーボードを組み込みました。マザーボードの交換は、PCの中枢を更新する作業であり、これによりシステム全体の安定性が向上します。
パラレルポートのテストを再度行い、今度は問題なく動作することを確認しました。この結果により、修理が成功したと判断できます。
マザーボード全体のテストも良好です。マザーボードが正常に機能するかどうかは、システム全体の動作に直接影響を与えるため、慎重なテストが必要です。
負荷テストも合格しました。負荷テストでは、PCが高い負荷状態でどの程度安定して動作するかを確認します。特に古い機器では、この段階での問題発見が重要です。
パラレルポート端子を新品に交換しました。古い端子は劣化しやすく、新品に交換することで接続の信頼性が向上します。
左のオリジナルHDDから右の高耐久ストレージにデータを移植します。データの移植は、古いシステムを維持しつつ新しいハードウェアに対応させるための重要なステップです。 また、この最新のSSDは、すべての情報をMicroSD内の1ファイルとして保存するため、SSDシステムのバックアップは、MicroSD内のファイルをコピー保存するだけでよくなり、非常に効率的なのでお勧めできます。 なお、MicroSDは、信頼性が高いpSLCタイプを使用していることは言うまでもありません。
オリジナルのリムーバブルベイを外し、新しいリムーバブルベイに付け替えました。このような改造を行うことで、将来的なメンテナンスが容易になります。
電源のオーバーホールを行い、コンデンサを交換しました。電源ユニットのコンデンサは、長期間使用すると性能が低下し、故障の原因になることがあります。
マザーボードのオーバーホールも行い、コンデンサを交換しました。これにより、システム全体の安定性がさらに向上しました。
ドングルを装着していない状態でデモモードになる再現性を確認しました。古いシステムでは、このようなモードが設定されていることがあり、正しく動作させるためにはドングルが不可欠です。
ドングルを装着すると、パラレルポートが正常に稼働し、ドングルが認識されました。これにより、デモモードが解除され、正常に動作することが確認できました。
起動時の熱分布にも異常は見られませんでした。これにより、修理が完了し、PCが正常に稼働することが確認できました。