森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)日本ピーシーエキスパート代表
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【ご依頼者様】鳥取県米子市吉岡のお客様
【ご依頼内容】Compaq d530 CMTの旧型PC修理
【鉄人の修理内容】コンデンサ膨張や冷却機構の強化を含む徹底的なメンテナンス
生産設備監視用PCの徹底修理と長期使用に向けた対策
製造業の現場では、Windows 2000時代の旧型PCがいまだに使用されていることが多く、特に設備監視用のPCはその代表です。今回のご依頼は、Compaq d530 CMTの修理依頼でした。古いPCが原因で生産ラインが止まってしまうリスクがあるため、信頼性の高い修理が求められました。当社では、こうしたニーズに応えるべく、緻密なメンテナンスと複数の修理オプションを提供しました。
修理概要と提案内容 – 液漏れしたコンデンサの交換、冷却強化、予備機の製作
修理対象のPC本体(右)です。外観はしっかりしていますが、内部のコンデンサ膨張など長年の経年劣化が懸念されていました。
Windows 2000が起動するものの、フリーズする現象が頻発していました。システムが正常に動作しない原因究明が急務です。
PC背面にはLANケーブル3本、RS232Cケーブル1本が接続されています。これらの接続も定期的なチェックが必要です。
内部のマザーボード全景です。老朽化が進んでいるため、徹底的なメンテナンスが求められます。
膨らんだコンデンサ – 長期使用には危険な部品の交換
9割近くのアルミ電解コンデンサが膨張しています。長年使用されたPCではよく見られる劣化現象で、これがフリーズの主な原因と考えられます。
特にコンデンサの膨らみがひどく、液漏れを起こす寸前です。電解コンデンサが劣化すると安定した電流供給ができなくなり、PCの突然のフリーズや電源が入らないといった問題が生じます。
交換が必要な内部部品と冷却システムの見直し
膨らんだコンデンサは、電解液の漏出リスクが高く、早急な交換が必要です。液漏れが発生すると基板が腐食し、さらなる不具合を招くためです。
膨らんでいる電解コンデンサのアップです。こうした劣化は、安定動作のために交換が必須です。
ATX電源内部を確認しました。電解コンデンサは膨らんでいませんが、経年劣化が進んでおり、交換が望ましい状態です。
追加対策 – 高品質ファンと冷却機構の強化
冷却用のファンはスリーブベアリングを使用しており、長期的な耐久性に難があるため、信頼性の高いボールベアリングタイプへの交換が推奨されます。
NVIDIA P118のグラフィックボード。経年劣化により、不安定な動作が見られることが確認されました。安定稼働のためには定期的なチェックが欠かせません。
修理プランの提案とお客様との詳細打ち合わせ
内部の部品交換や冷却機構の強化について、以下の3つの修理プランを提案しました。
- 1. すべての劣化部品を交換し、冷却も強化した長期使用プラン
- 2. コンデンサ交換のみの最低限の応急修理プラン
- 3. 上記2つの中間的な修理プラン
ZOOMでの打ち合わせで各プランのメリット・デメリットについて詳細に説明し、お客様には適切な修理プランをご検討いただくことになりました。20年以上前のPCを修理することには様々なリスクが伴うため、その点についても十分にご理解いただきました。