森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)日本ピーシーエキスパート代表
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旧型PC修理と延命策の提案:HP XW4600と東京精密製3次元測定器DURAMAX制御用PCの修理事例
【ご依頼者様】岐阜県多治見市のお客様
【ご依頼内容】HP XW4600 Workstationと東京精密製 DURAMAX制御用PCの修理および延命対策
製造業の設備管理では、旧型PCのメンテナンスや修理が業務の安定性に直結します。特に、産業用PCや制御用PCは、一般的なPCとは異なり、より長期間の稼働が求められるため、延命策を取ることが重要です。今回は、HP XW4600とDURAMAX制御用PCの修理・延命事例を紹介し、最適なソリューションを提案しました。
HP XW4600 Workstation 修理の詳細
パソコン正面です。HP XW4600は、高性能のワークステーションとして、設計業務や計測業務などで幅広く使用されています。外観は堅牢で、内部の部品も高耐久ですが、経年劣化が進行しています。
パソコン背面です。背面のインターフェースも多く、拡張性の高いモデルです。長時間使用する設備PCでは、冷却ファンのメンテナンスも欠かせません。
お客様より送付いただいた添付物一式です。特に重要なのはHDDと電源ユニットの動作確認です。
パソコン内部です。CPUファンやグラフィックファンにほこりがたまり、冷却性能が低下しているのが確認されました。冷却不足は、PCが突然シャットダウンする原因になります。
CPUファンやグラフィックボードのファンにややほこりが堆積している状況です。冷却効率が下がると、パフォーマンスが低下し、PC全体に負荷がかかります。
オリジナルのHDDはSATA 250GBのモデルです。HDDの使用時間が長いため、データ保護の観点からも交換が必要です。
専用ツールを使用して、BIOS上での簡易テストを実施。問題なく通過しました。
オリジナルのHDDのクローンを作製しました。クローンHDDを作成することで、データの保護と迅速な復旧が可能です。
BIOS上で高負荷テストを実施したところ、2分でクラッシュする現象が発生しました。この症状は、電源ユニットの不良によるものと推測されます。
良品の電源ユニットに交換し、再度動作検証を行います。電源はPCの心臓部であり、不具合があるとPC全体が不安定になります。
良品の電源ユニットで高負荷テストを行い、問題なく通過しました。この結果、電源ユニットの交換が必要であることが確認されました。
CDブートによるMEMTESTも問題なく通過しました。メモリ関連の問題は発生していないことがわかりました。
オリジナルのHDDは28000時間を超えて稼働しているため、交換を強く推奨します。長時間使用されたHDDは故障のリスクが高いため、定期的な交換が必要です。
HDDの使用領域は70GB程度です。この程度の容量であれば、交換後の新HDDにも問題なくデータを移行できます。
オリジナルの電源ユニットを使用した際には、PCがすぐにシャットダウンしました。良品の電源ユニットに交換することで、安定した動作を確認しました。
イベントログには目立った障害はなく、電源ユニットが原因である可能性が高いことが確認できました。
Windows上で専用ツールによる高負荷テストを30分間実施し、問題なく通過しました。
負荷テスト中の熱分布も正常で、大きな異常はありませんでした。ただし、全体的に排熱が十分ではない印象があり、冷却性能の向上が望まれます。
グラフィックボード「Quadro FX 580」は、動作が不安定なため、交換が必要です。グラフィックボードの不安定な挙動は、画面のちらつきやクラッシュの原因となることがあります。
ファンに堆積していたほこりを除去しました。ほこりの蓄積は冷却効率を大幅に低下させるため、定期的な清掃が必要です。
2ポートカード「GLF-C050-PCB-600」は流通ありのため、交換が容易です。
ネットワークカード「G021-04-2613」も流通しており、交換可能です。ネットワーク関連のパーツは安定した通信を確保するため、適切なメンテナンスが必要です。
CPUグリスが劣化しており、冷却効率が低下しています。劣化したグリスは、システム全体の温度上昇を引き起こし、故障の原因となります。
CPUファンにもほこりが蓄積しています。ほこりを除去し、冷却性能を回復させました。
メモリは1GB×2、PC2-6400E-666です。メモリは特に問題がなく、正常に動作しています。
マザーボード「FMB-0702」は劣化しているため、オーバーホールが必要です。流通しているため、交換や修理は可能です。
劣化したCPUグリスを除去し、新品のグリスを塗布しました。これにより、冷却効率が向上し、PCの安定性が回復しました。
電源ユニットはデルタ製475Wのモデルです。この電源ユニットは交換が必須であり、特にBergコネクタが重要な役割を果たしています。
電源ユニット内部です。コンデンサの劣化が見られ、オーバーホールが必要です。
東京精密製3次元測定器 DURAMAX制御用PC 修理の詳細
【お客様の要望】東京精密製の3次元測定器DURAMAXの制御用PCで電源が突然落ちることがあり、生産に影響が出ているため、早急に修理してほしいとのご依頼でした。
調査の結果、電源ユニット、HDD、メインボードの劣化が原因と判明。これらのパーツを交換するか、仮想化によってPCの延命を図るプランを提案しました。特に仮想化は、今後のメンテナンスコストを削減するための有効な手段です。
最終的には、修理と延命策のプランを提示し、顧客のニーズに合わせた対応を行いました。
【提案内容の詳細】
- 仮想化プラン:PCの物理的な故障を防ぎつつ、今後のトラブル対応を簡便化するためのプラン。
- 修理+延命プラン:ハードウェアを修理し、必要な部品を交換して長期的な使用を目指す。
- 応急修理プラン:最小限の部品交換で一時的な稼働を確保するプラン。
【結果】提案した3つのプランの中から、実際に施工するかどうかを検討いただきました。
私たちは、製造業の設備管理におけるPCトラブルに迅速に対応し、お客様に最適な解決策を提供します。ご相談はぜひお気軽に。