修理実績

ソレノイド駆動コントローラ出荷検査用PCの修理延命診断

古いパソコン修理
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森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)日本ピーシーエキスパート代表

1995年シリコンバレーでパソコンと出会い、プラント制御、カーナビの開発・設計を経て2003年に独立。産業用PC修理延命事業を開始。現在はパソコン修理の鉄人として、千葉県柏市にて、日本全国の生産現場の旧型PC修理・延命を行っております!趣味はトライアスロンでそっちでも鉄人です!!

【ご依頼者様】愛知県弥富市のお客様
【ご依頼内容】起動しなくなったOptiplex GX1の修理・延命診断
【鉄人の修理内容】最重度物理障害のデータ・システムサルベージ他


パソコン正面です。DELL Optiplex GX1は、1990年代後半に登場した企業向けデスクトップパソコンで、その耐久性と安定性から、現在でも多くの企業や工場で使用されています。特に、Windows NTやWindows 98などの古いOSを必要とするシステムに最適です。

パソコン背面です。インターフェースは、当時主流だったPS/2ポートやシリアルポート、並びにVGAポートを備えており、レガシーデバイスとの接続が可能です。さらに、独自規格の拡張カードスロットが搭載されており、特定の産業用途に適したカスタマイズが行われています。
パソコン内部です。内部のレイアウトはシンプルで、拡張性を重視した設計になっています。HDDや電源ユニットへのアクセスも容易で、メンテナンスがしやすい構造となっています。


オリジナルHDDはPATAの3GBです。型番はMAXTOR 83240D3です。このハードディスクドライブは、1990年代に広く使用されていたパラレルATA接続のもので、現在では製造が終了しており、入手が非常に困難です。このHDDは、長年の使用による劣化が進んでおり、データのサルベージが必要な状態です。


HDDを抜いた状態で電源を起動し、BIOS画面を確認したところ、時計が常に高速で進み続ける挙動を確認しました。この症状は、CMOSバッテリーの劣化や、BIOSチップ自体の故障が原因となることが多いです。CMOSバッテリーを交換することで解決する場合もありますが、BIOSのリフラッシュが必要なケースもあります。


フロッピーブートによるMEMTESTを実行し、メモリが正常であることを確認しました。このテストは、メモリの物理的な不良や読み書きエラーを検出するために行われます。正常に通過したため、メモリ自体には問題がないことが分かりました。


CDブートが出来ない機種のようです。Optiplex GX1は、初期のBIOSバージョンではCDからのブートをサポートしていない場合があります。この場合、OSの再インストールや診断ツールの実行には、フロッピーディスクを使用する必要があります。


フロッピーブートによる簡易テストを通過しました。microスコープテストは、システムの基本的なハードウェア機能を検証するためのツールで、これを通過したことで、基盤の主要コンポーネントが正常に機能していることが確認されました。


電源は独自規格のため、互換性のあるテスターがなく、正常な動作をしているのかは測定できませんでした。DELLの独自規格電源ユニットは、他の市販製品とは異なるピン配置やサイズで設計されており、交換やテストには特別な知識と機器が必要です。


電源はDELL製の独自規格サイズで、145W20ピンです。この仕様は、特定のDELLモデルにのみ対応しており、一般的なATX電源とは互換性がありません。長年の使用によって電源内部のコンデンサやトランジスタが劣化している可能性があり、オーバーホールまたは交換が推奨されます。


電源内部です。劣化しているためオーバーホールが必要です。特にコンデンサの液漏れや膨張が見られる場合、電源供給の安定性に影響を与えるため、早急な対応が必要です。


インターフェースボード
PIO-32/32L(PC)
流通あり
このインターフェースボードは、産業用機器とパソコンを接続するためのもので、PIO(プログラムドI/O)を介して高速データ転送が可能です。現在でも一部の専門業者によって流通しており、特定のニッチ市場では需要があります。


インターフェースボード
PCI-4304
海外にて流通あり
このボードは、高速データ転送が可能なPCIバス対応のインターフェースで、特に工業用機器やレガシーデバイスとの接続に使用されます。国内での流通は少ないですが、海外の中古市場で入手可能です。


ライザーカード
Dell 6171E GX1 Riser Card Board 4-Slot 2-PCI 2-ISA
海外にて流通あり
ライザーカードは、拡張カードを水平に配置するためのもので、限られたスペース内でのカード追加を可能にします。このモデルは、PCIとISAスロットを兼ね備えたもので、特に産業用機器との互換性が高いです。


CPU
Intel Pentium II 266 w/MMX – 80522PX266512EC
海外にて流通あり
このCPUは、1990年代後半に登場したもので、MMXテクノロジーを搭載しており、マルチメディア処理能力が強化されています。現在では骨董的な存在となっており、海外のコレクター市場などで取引されています。


CPUには大型ヒートシンク及びファンが取り付けられています。
ファンサイズ60×60×15
このヒートシンクとファンは、CPUの熱を効率的に放散するためのもので、特に高温で動作するPentium IIには不可欠なパーツです。長年の使用により、ファンの軸受けやモーターが劣化することがあるため、定期的なメンテナンスが推奨されます。


マザーボード
OptiPlex GX1 00088864
海外にて流通あり
このマザーボードは、Intel 440BXチップセットを採用しており、当時の最新技術を詰め込んだ高性能モデルです。現在では製造が終了しており、交換用パーツは主に海外の中古市場で流通しています。


HDDは重度物理障害のためクローン作製不可
このHDDは、最重度の物理障害を抱えており、通常のクローン作製が不可能な状態です。データ復旧には高度な技術が必要であり、専用のクリーンルームでの作業が求められるケースもあります。