森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)日本ピーシーエキスパート代表
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15年以上昔のコンピュータは、現在でも動いているものが少なくないです。が、いつ壊れてもおかしくない状況で動いているというのが現実です。
これらのコンピュータが故障する原因を解説しようと思います。
ズバリ、故障個所は
- 電源(電解コンデンサー)
- メインボード(電解コンデンサー)
- フロッピードライブ
- HDD
このあたりが多いです。
電解コンデンサー
言わずと知れた、電子機器の寿命に大きくかかわる部品です。電解コンデンサーは、紙のようなものに電解液をしみこませて丸めたものです。電解液は少しずつ蒸発してしまい、何年も経つとコンデンサーの容量が減ってしまい、結果として回路が不安定になってしまうのです。コンデンサーはフィルターなどに使われるので、フィルターがなくなってしまうことになります。
コンデンサーの寿命は、コンデンサーのグレードにもよりますが、使用環境の温度と製造されてからの時間(年数)に依存します。したがって、電解コンデンサーの寿命は避けて通れず、唯一の処方箋は故障する前に新品交換するか、個体コンデンサーに交換するかです。
フロッピードライブ
フロッピードライブ(FDD)は、機械的構造が複雑です。主な部品は、
- モーター
- FDDを動かすプーリーベルト(ダイレクトドライブでない場合)
- FDDを検出するスイッチ
- ヘッド
- ヘッドモーター
- 内部機構
などがあります。ダントツで壊れるのは、プーリーベルトです。ゴム製なので、劣化すると弾性がなくなり、モーターの動力を伝えることができなくなります。また、切れてしまうこともあります。困ったことに、このプーリーベルトはメカトロ系のプーリーベルトと交換できますが、意外と張力が微妙でぴったりはまるものを探すのが難しいです。。。。
モーター(ヘッドモーター)はあまり故障しない傾向にあります。少なくとも筆者は壊れたのを見たことがありません
FDDを検出するスイッチは、意外と壊れます。これが壊れると、FDDを入れても、FDDが挿入されていないと認識して、いつまでたっても読んでくれないことになります。このスイッチも微妙で、FDDを入れるとONになって、取り出すとOFFになるようなちょうど良いものが必須ですが、基板に直接実装されるので、ちょうどよいものが入手難しいです。
内部機構もよく曲がります。FDDを無理に入れたり、無理に抜いたりしたときに曲がります。しかし、鉄製なので、簡単に補修ができます。
ヘッドが壊れた場合は、かなり厄介です。かなりの専門知識がないと治せません。
HDD
HDDは過去の記事でも何度か解説してますが、消耗品です。この年代のパソコンで、今でも動き続けているHDDは、かなりよい個体といえます。すぐに急にクラッシュすることは考えにくいですが、異音や、普段より起動が遅いなど、いつもと異なる動きをかんじたら「いよいよか」と思っていただき直ちにデータをフロッピーに保存したり、アプリケーションのフォルダをFD数枚に保存してください。これができなければパソコン修理屋さんに相談したほうがよいです。
まとめ
15年以上稼働しているコンピューターは、典型的な故障をすることが多いです。これらの故障個所を理解したうえで、使っていくことと、いつもと違う動きをした場合に「しばらく様子を見よう」は禁物です!
ご自身での診断や、部品交換ができないときは専門家に相談してください!
パソコン修理の鉄人でも、相談をいつでもお受けいたします!