森田起也@パソコン修理の鉄人・(株)PCエキスパート代表
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メモリとハードディスクの役割は大きく異なります。どちらもパソコンを購入した後に自分でパーツを購入してアップグレードすることは可能ですが、それぞれの役割を正確に把握していないと、検討違いのアップグレードをしてしまうことにつながりますので注意が必要です。メモリの増設とハードディスクのアップグレード、それぞれどのような効果が期待できるのでしょうか。
メモリの役割と増設の効果
メモリは主記憶装置と呼ばれるパーツで、その役割は出された命令を受けて、処理が必要なタスクを広げるための土台のようなものです。ピンとこない方は、頭の中に机と処理しなければならない仕事を思い浮かべてみると良いでしょう。
仕事を処理していくために書類を広げて作業をしていく必要があり、机が小さいと作業がしにくくなってしまうと思います。この机にあたるのがメモリで、メモリが大きければ大きいほど、広げられる書類や資料の量も増えることになります。1つ1つ作業をしていくと仕事の処理に時間がかかるということも、広い机を持っていれば様々な作業を同時に行うことができますので、効率が良くなります。
ここで言う作業とはつまり、パソコン内で言うところのアプリケーションを指し、効率が悪くなるということは動作が重い状態を指します。広い机を持っていた方が多くの作業を同時に行えるため、メモリの数値が高い方が高スペックと言えるのです。
ここまで理解できれば、メモリを増設した場合の恩恵についても分かると思います。メモリを増設すると、広げられるタスクの量が増えますので、パソコンの動作を軽くする効果が期待できます。もちろん処理能力はCPU(演算装置)が関わることになりますので、全てのケースがメモリ増設のみで解消できるというわけではありませんが、劇的な変化は無いものの、ある程度の改善効果が期待できます。
ハードディスクと増設の効果
ハードディスクが持つ役割は、情報を記憶しておくことのみになります。メモリが机なら、ハードディスクは本棚や収納スペースのようなもので、両者は大きく異なります。ハードディスクの容量を増やすことによって受けられる恩恵は、記憶できるデータの量が増えるというもので、小さな本棚と大きな本棚を思い浮かべてみると分かりやすいと思います。大きな本棚の方が、より多くの本を入れておくことができ、これと同じようにハードディスクの容量が大きくなれば、保存しておけるデータの量が増えるということになります。
注意しなければならないのは、ハードディスクはメモリとは異なり、処理スピードにはあまり関係が無いという点です。より多くの音楽ファイルを保存できたり、ドキュメントファイルを保存できたりなどなど、保存しておくためのものであるという点は忘れないでおいてください。